現地の授業風景やアメリカにいる人の特徴とは?

ベルビュー(アメリカ)留学レポート

10月号

配信日:2019年10月31日

 アメリカでの生活が始まり、1か月が経ちました。授業や課外活動も、いよいよ始まった10月。今回は、日々の授業の様子や課外活動の中で学んだことお話したいと思います。今回もすごい量です。

 

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受講しているクラスについて

 ここでは、私の受けている授業と授業スタイルについてご紹介していきます。ベルビューカレッジでは、立命館MOT研究科と同様のクォーター制をとっており、3か月間隔で授業が展開されています。日本と違う点として、受講する授業は担当インストラクターと一緒に相談の上決めていきます。僕もこのインストラクターとの面談を通して授業を決めました。印象的だったのは、取りたい授業を聞かれる前に、将来自分のやりたいことを細かく聞かれたことです。後でも少しこのことを詳しく書こうとは思っているのですが、アメリカ人は自分のやりたいことがしっかり明確であるなと日々感じています。こういった文化は学生時代から培われているだろうなと思いました。

 

 さて、ここからは今私がとっている授業について具体的にご紹介していきます。今期クォーターの時間割は、このようになっています。

 今期は、3つの授業を受講しています。1つ目が、Mass Media (102)。マスメディアに対する過去の歴史や今の動向を学ぶ授業です。2つ目が、Business Technology System (186)。Adobe Creative SoftwareのPhotoshop、 InDesign、 Illustratorの使い方を、課題作成を通して学んでいます。3つ目がEnglish Class (095)。ここでは、日本の英語の授業とは違い、ビジネスにおいてのメールの書き方やプレゼンテーションの仕方といった、社会で使うべき英語の使い方を中心に学んでいます。

 

 ちなみに授業名の横に数字が書いてあるのですが、これは授業レベルを示しています。TOEFLテストを受講した皆さんならよくご存じかと思いますが(Listeningの問題で必ずでる授業のイントロを聞く問題)、アメリカでは授業の難易度が番号として表されています。100が大学の基本・イントロレベルで、番号が上がるにつれて難易度が上がっていきます。ちなみに番号が100よりも小さいクラスは高校レベルや大学学部授業準備クラスが該当します。ぜひこれを読んでいる留学希望者の方は、これを覚えておくといいかもしれませんね。

本来ならば、1つ1つの授業の様子を詳しく書きたいところですが、すごい量になってしまいますので、今回は「Mass Media」の授業に絞って授業の様子を詳しく話していきます。

 

 まずは、教科書。アメリカの教科書はとっても分厚くてとっても高いです。ちなみにこの授業で使っている教科書は、ペーパーで買うとすると$248(日本円で約27000円)して、ページ数592ページあります。お金もなくて重いものを持ち歩くことが嫌いな僕には大敵です。では、どうしているかというと「E-book(電子書籍)をレンタル」しています。現地の多くの学生は、このシステムを利用して教科書を利用しています。アメリカでは、驚くほど電子書籍の技術が発達しています。

 これは、Amazonでの教科書購入画面です。恐らく日本ではなじみのないものがたくさん書いてあると思います。上記の例のように、アメリカでは紙or電子書籍の形式で、受講期間中に教科書をレンタルして勉強していることが普通です。もちろんAmazonのようなサイトを利用するだけでなく、友達の教科書のおさがりを譲り受けたり、学校の掲示板に教科書レンタルのチラシが貼ってあり、そういったところから借りたりするという人もいます。いずれにしろ、日本のように紙の教科書を買うといった文化はアメリカでは少し時代遅れなのかなといった印象を受けます。

 それにしても、教科書購入のインサイト(例:教科書を持ちたくないけど買わなきゃいけない)をうまくついたこのレンタルビジネスはさすがアメリカの文化だなとすごく感心しました。こういった教科書購入時でも、ビジネス大国アメリカのすごさを痛感します。

 

 では、次は授業の雰囲気について書きます。僕の受けている授業は、30人で構成されており、日本の授業スタイルと比べて先生との距離が近いです。皆さんもご存知かと思いますが、アメリカでは授業中に生徒がとにかく積極的に発言します。日本のしーんとした講義ではありません。どんどん先生に質問して、先生も生徒に質問していきます。アメリカでは、自分が発言しないとその講義及び会議に参加していないと同然という文化があります。「Why do you come here?」と笑われてしまいます。自分も渡米前からこのことは、しっていたので、ある程度覚悟はしていたのですが、まさかここまでとは・・。

 

 ただ、授業に積極的に参加する以上に、もっと大事なことがあるということを渡米してから気づきました。それは、「すべてに対して自分の意見を持っている。疑問をもっている」ということです。この大事なことを僕は渡米前には気づきませんでした。つまりどういうことかというと、先生が例えば「スターバックスはアメリカに20000店舗ある」ということを授業内で示したとします。この時、おそらく日本の学生だと「へぇ~そうなのか~」とただ無関心で聞き流すだけだと思います。現地学生はこれに対して、「That is true. 確かに私の家の周りの近くにスタバの店舗があって・・」とか共感する発言をしたり、「I don’t think so because・・」といった具合に批判的な発言をしたりします。つまり、一つ一つの事実や質問に対して、ちゃんと興味をもち考えているということです。そしてそのresponseがとにかく早い。英語とは別にこういった姿勢が自分には欠けているなと、とても勉強になりました(こういう力が必要だからこそ、TOEFLのスピーキングの問題はあのような構成なのか~とも思いました)。

 

 ここでのトピックの最後に、授業内でとても感動したことがあるのでそれを書きます。それは、「助け合いの精神が非常に根付いているチームメンバーに出会ったこと」です。授業では、グループでプレゼンテーションをするといったことがありました。当時これが発表されたときは、本当に不安でした。今回受講しているクラスでは、僕以外普通に英語が喋れるような人たちで構成されています。そんな中に英語を聞くことも話すこともまともにできないような僕がポツンといる環境は本当にきつかったです。いざプレゼンテーションに向けてのディスカッションが始まったとき、とんでもないような会話スピードで展開されるディスカッションを目のあたりにし、何も発言できないし、何も貢献できない自分は本当にただ情けないなと思いました。あるとき、チームメンバーの19歳の女の子が僕に話かけてくるようになりました。初めは、日本に旅行した経験を話してきて、あるときには自分が勉強している日本語のノートを僕に見せてくれるようになってきました。チームワークにうまく参加できていない僕を見て気を利かせてくれて、このような気遣いをしてくれていたのでしょう。19歳の女の子が、もうすぐ23歳になる鬼頭に気を使わせてしまっていることに申し訳なさも感じつつ、本当にうれしかったです。このことがきっかけとなり、次第にみんなも僕に話かけてくれるようになったり、僕からも話かけられるようになったりしました。そこからというもの、プレゼンテーションに向けて、僕が出来ない部分をみんなが補完してくれました。感謝感激です。今回の例のように、誰かが困っている場面において、しっかりと助けるといった文化は、アメリカで少なからず見かけたような気がします。

 

 あるとき、日本で同じような状況が起きたらどんな感じかな~とふと考える機会がありました。日本だったら、できない人がいたらほとんど無視や助けないだろうな~と。こういったことを考えると、アメリカの人がすべてではないとは思いますが、こういう文化が強く根付いてアメリカという文化は日本にはない魅力なのだろうな~と思いました。

 

 そしてこの時、日本にきている留学生って本当にすごいな~と同時に思いました。立命館MOTには多数の留学生が所属しています。彼らは、授業を受けるだけでも本当に大変だと思いますし、そして日本というカルチャーがそれをさらに難しくさせているだろなと。同時に彼らがグループディスカッションの中でしっかりとディスカッションしている姿って本当にすごいと思いますし、尊敬するっていまになって感じます。日本に返ったら自分もこの19歳の女の子のようにふるまわないといけないなと思います。渡米前に湊先生から、「本当の意味でマイノリティーにならないと人は優しくなれない」とご助言いただいたのですが、あ~こういうことかって今になって思います。

 

シアトルをたくさん探索する日々

​ シアトルには、MicrosoftやAmazonといった世界を代表する会社の本社や、美術館や航空博物館といった楽しめる場所がたくさんあります。今回は、空いている時間を使って行った場所をいくつかピックアップして紹介していきます。

<シアトル美術館>

​ シアトルには、3つほど美術館があるのですが、今回とりあげるのはダウンタウンにある「シアトルアートミュージアム」です。展示内容は、ご想像の通り、アートに関連したものが非常に多かった印象です。日本ではめったに美術館などいかないのですが、将来の夢の実現のためには、いろんな人の芸術を自分の目で見てみることは重要だと思い、留学マジックの力を借りていってみました。

<航空博物館・ボーイング工場>

​ ​シアトルは、ボーイングの発祥の地としても有名です。ボーイングの美術館やボーイングの工場がシアトルにはあります。ボーイングの工場では、工場見学を実施しているのですが、私もこれに参加していきました。ギネスにも乗った大きい工場で、最新の飛行機(787)が作られている姿は圧巻でした。運がよかったのか、ちょうどJALの飛行機が製造されているところを見学しました。皆様に写真をぜひ見せたかったのですが、残念ながら工場内は撮影NGでした。

<Microsoft本社>

​ Microsoftの本社は、正確にはベルビューから少し北のレドモンドという場所にあります。写真を撮ろうとしましたが、撮れませんでした。撮影NGというわけではないのですが、正確にはどこをとったらいいか分からないというのが本音です。つまり、とにかくでかいということです。町全体の半分以上マイクロソフトの建物じゃないんかと思うくらいでかいです。さすが時価総額1位の企業と思いました。

 

 たまたまですが、Microsoft日本法人で人事を担当している人、本社で働いていらっしゃるエンジニアとマーケターの方のお話を伺える機会があったので、自分もこれに参加しました。日本だったらすごい人が集まるところですが、今回はたまたま運がよく30人の参加者で、より近い距離感でお話を伺うことができました。たくさん学んだことはあるのですが、一番印象に残ったのは「技術を理解したり、使いこなせたりする能力の重要性」です。Microsoftでは、どんな職種(たとえマーケターであっても)、技術を理解することが求められるそうです。そしてこの会社では、這い上がるためには技術をもって相手を説得する必要があるともおっしゃっていました。そして、上位階級になればなるほどその人の技術的能力は高いことが当たり前だということも。何が言いたいかというと、日本みたいにおじさんを説得する能力を磨いても認められないということと、技術で実現していく力が必要であるということです。

 

 自分もこの部分はすごく共感できる点が多かったです。少し前まで、技術の確立を少し軽視していた自分がいました。それよりもマーケット(市場)の理解が大事で、消費者に真の価値を届けることが重要だとわりかし本気で信じていました。ただ最近、MOTの授業や日々の共同研究の中で、技術を理解することを怠って痛い目にあっていました。そのようなことがあり、基盤技術を理解することや自身がその技術を使いこなせることが必要なのだなと思うようになっていました。ちょうどそのようなことを思いだしていたところだったので、Microsoftの方がおっしゃっていることに納得できたのです。

現地での様々な人との出会いで気づいたこと

コミュニティ構築のため、日々いろんなイベントやミートアップに参加しています。今回は、その機会で出会った人たちの中で、何点かキャリア形成で重要だと思う考え方を学んだのでそのことについてここでは書きます。

 

自分のやりたいことが明確

 

 「俺は将来こんなことやりたい。達成したい。」「今こんなことやっている!」と自信をもって、そして楽しそうに言う人がアメリカには多いなと日々感じます。アメリカで育った人だけではなく、アメリカに来ている日本人もこういうことを言っている人が多い気がします。そして、自分の達成したいことだからこそ、今取り組んでいること(授業一つにとっても)に本当に熱意があるなって思います。もちろんつらいことも彼らにはたくさんあると思いますが、本当にやりたいこと・達成したいからこそ頑張れている、続けられるのだろうなって思います。日本でも、似たようなことをよく聞きますが、アメリカではこれが露骨に出ています。

 

 多分これは、当たり前のことなのだとは思うのですが、意外に日本ではこれが出来ていないような気がします。それよりも日本は「○○大学」「○○会社」というブランドだけを自慢する人がどうにも多い気がしてなりません。あくまでもアメリカにいる人たちにとっては、それは本質ではなく手段の一つであって、本当に達成したいことをするためにそこにいるといった印象です。確かに「看板」は重要だとも思っています。ある程度の看板がないことには、相手を説得する段階にすら達することが出来ないことは重々承知しています。しかしもっと重要なことがあるのだということを日々感じていて、今回のアメリカでの経験が確証へと変わりました。

 

 偉そうに言っていますが、自分自身も未熟な一人であることは確かなので、ぜひ自分がやりたいことはなんなのかを定期的に見つめなおしていきたいとは思っています。

 

何度でも学びなそう、失敗したらまたやり直せばいいじゃないかという文化

 

 アメリカでは、キャリア構築のために大人になっても大学にまた通いなおすという文化がとても根付いています。僕がこの前受けた授業の先生は、7回も学部を変えたとおっしゃっていました。

 

 大学に通い直す人たちは、大きく分けて2つのパターンに分かれるそうです。1つは日々の仕事で足りないなと思った知識を学びたいといった思いから。もう1つは、自分がやれると思っていたポジションについてみたがうまくいかず、もう一回違ったことにチャレンジしたいからそのために勉強したいといった思いからといったものです。

 

 これは、ベルビューの学校で日本語を教えている二人の日本人の方からお聞きしたことです。このお二方は、ベルビューで教壇に立つ前に、日本で中学校教員としてご活躍されていました。日本とアメリカと両方の世界を経験されていたお二人が、上記の例を交えながら、強くおっしゃられていたのは、「失敗を新たな伸びしろ」としてとらえるアメリカの文化の素晴らしさです。

 

 「日本では、一回の結果(例:大学の選択)ですべての人生が決まったようなことをとらえられがちである。そのため、もしもそこで失敗してしまったら、もうそこでおしまいのように思われがちである。でもアメリカではそうではない。失敗したらまたやり直す。そしてまた成長しようとして一生懸命努力を続ける。大学にも通う。そういった姿勢はアメリカで強く感じる。同時に努力しないとどんどん見捨てられる。アメリカでは同じ仕事やポジションをいつまでもやっていることは恥ずかしいことである。いろんなポジションや仕事にどんどん挑戦する人が認められる文化である」。

 

 お二人はこう強くおっしゃっていました。「失敗がいけないという文化」は確かに日本においても強く残る文化だなと、これを聞いた時自分の実体験からも納得できるものがありました。(個人単位ではそうではないかもしれませんが、社会全体としてという意味です)こういった姿勢は私も学んでいかなくてはと思います。 

 

自身の留学計画としても、いろんな挑戦を行っていこうと思います。共同研究も一旦落ちついたので、11月からまた新しいプロジェクトを始めようと思っています。今回は様々な方のご厚意があり、自分の夢である広告業界、またエンタメ業界にアプローチできるチャンスをいただくことが出来ました。そこでいろんな挑戦をしていっぱい失敗して学んでいこうと思います。

 

以上、10月号でした。

Systems Innovation Laboratory

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