​不必要な線引き

ベルビュー(アメリカ)留学レポート

5月号

配信日:2020年6月3日

​ベルビューダウンタウンでの暴動

 私の日本では、ゴールデンウィークがあるのですが、アメリカには5月上旬にそんな休みはありません。毎日怒涛の宿題に追われる日々です。今月号は、少しいつもと違って短く書きたい思います。

 

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(メール先:kazuyakitou0107@outlook.jp)

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​アメリカと日本の経済再開へのプロセスの違い

 アメリカは、日本に比べて、日常生活に戻るために判断は慎重です。日本であれば、緊急事態宣言が解除されてから、ほとんどの店が開いているといった状況なのではと思いますが、アメリカ(ワシントン州)では、下記の通り4つのフェーズが存在しており、3週間ごとに群ごとに見直しがされます。つまり日常に戻るには少なくとも12週間はかかるといったところでしょうか。

ワシントン州の経済再開までのフェーズ(ワシントン州HPより)

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<日本語版> (From ジャングルシティより)

フェーズ1で許可されている主な事柄

 

レストランのテイクアウト・宅配・ドライブスルーでの営業

ドライブイン式の礼拝(一世帯につき車一台に制限)

自動車・RV・Boat・ORV の販売

カーウォッシュ

小売業の店外での商品の受け渡し(curbside pickup)

ランドスケーピング

必要不可欠の移動(旅行)、この経済活動再開の第1段階に関わる不要不急の移動(旅行)

釣りやゴルフ、州立公園の利用(日帰りのみ)

緊急でない手術や歯科治療

信仰的な集まりは屋外で100人未満に限る。社会的距離の維持やフェイスカバーの着用が必要

 

フェーズ2で許可される主な事柄

 

ハイリスクの人は自宅待機を継続

1週間あたり5人以下であれば同居していない人との集まり

キャンプを含むすべてのアウトドアのレクリエーション

青少年、成人、プロフェッショナルの一部のスポーツ活動

不要不急の旅行は近所のみに制限

感染防止対策を講じた新規の建設工事

小売営業は稼働率30%で店内での営業再開

レストランは稼働率50%、5人以上のテーブルを使用しない形での店内の飲食の再開

ヘアサロン、ネイルサロン、理髪店の営業再開

製造業の営業再開

ハウスクリーニングやナニーなどの民家でのサービス

不動産業

企業のオフィス勤務 ※在宅勤務を引き続き強く奨励

グルーミングなどのペットケアサービス

信仰的な集まりは屋内で通常の25%以下、または50人未満のどちらか少ない方に限って開催

参加者5人以下の屋内でのサービス/カウンセリング

学校の対面での授業 ※物理的な距離の維持と衛生対策が必要

 

フェーズ3で許可される主な事柄

ハイリスクの人は自宅待機を継続

青少年、成人、プロフェッショナルの一部のスポーツ活動

プールなどのレジャー施設は稼働率50%で再開

レストランは稼働率75%、バーは稼働率25%、ジムや映画館は稼働率50%で営業再開

小売店、図書館、博物館・美術館の再開

政府の建物の一般開放

不要不急の旅行の許可

学校の対面での授業 ※物理的な距離の維持と衛生対策が必要

 

フェーズ4で許可される主な事柄

ハイリスクの人の公共の場への外出 ※社会的距離の維持が必須

すべてのレクリエーション

50人以上の集会の許可 ※物理的な距離の維持が必須

バー、レストラン、ナイトクラブやコンサート会場など娯楽施設は稼働率100%で営業再開

職場の再開 ※物理的な距離の維持と衛生対策が必要

不要不急の旅行の許可

学校の対面での授業 ※物理的な距離の維持と衛生対策が必要

 

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 日本では、なじみのない内容もいくつかあるのではないでしょうか?だいぶこれをみただけでも、日本との違いを感じることが出来るのではと思います。

 

 さて、私はワシントン州のキング群という場所にいるのですが、ワシントン州の中でもトップクラスの大都会であり、また感染者数が非常に多い都市でもあります。そのため、このフェーズについても、他の群に比べて低い段階にいます。実際3月中旬から、5月下旬まで外出禁止令が出され、6月になったいまでも行動がだいぶ制限されてしまっています。まぁこればかりは仕方のないことですが・・・。

外出禁止令解除の前日に起こった悲劇

​ベルビューダウンタウンでの暴動

 アメリカでは、コロナの死者も大きな問題ですが、いまはもっと大きな問題が生じています。「黒人差別に対する暴動」です。日本においても、一部メディアでも取り上げているので、知っている方もいるかと思います。簡単に言うと、ある州の警官が、黒人の容疑者を取り押さえる際に、殺してしまったことに人々が怒りを感じ、各地でデモ、そして暴動まで発展をしているといった内容です。

 

 アメリカには、サラダボールというだけありいろんな人種の方がいます。ただそれに伴い、人種の差別が起きていることもまた事実です。僕は留学に来てから、奇跡にも差別を受けていません。なので、差別を受けている人の真の悲しさはきっと僕なんかが思っているよりもっと悲しいものなのだと思っています。

 

 ただ、一つこの人種について少し身近に感じたエピソードがあるので、それを話しますね。それは、米国でのインターンシップの応募書類をネット上で記入していたときのことです。質問内容に、「あなたの人種はなんですか?」という欄があったのです。この時、僕はなんと回答したらいいか本気で分かりませんでした。(ちなみに僕の場合は、「Asian」という欄があるので、そこを回答するのですが。)なんというか・・・。この時「こんな質問いるんか?なんかアジア人というひとくくりにされるだけでもなんだが嫌な感じがするのに、てかそもそもこんな質問せんでええやん。」とか結構本気で思いました。まぁ、会社の人間の構成等をしっかり調整したい(日本で言えば男女比4:6でいれるぞ的なやつです。)という意図なのでしょうか。

 

 何が言いたいかというと、必要のない線引きがこういった差別を引き起こしているということです。この必要なない線引きがどれほど恐ろしいものかということを、具体的に表したある実験があるので、その動画を紹介します。

 動画を見ていただくと分かるように、たった「目の色」に不必要な線引きをしただけで、子供達行動が一変します。これこそが、「不必要な線引き」の実態です。       

 

 不必要な線引きによって引き起こされた黒人差別にたいする暴動ですが、僕の住んでいるベルビューでもついにおこっていましました。

 

 5/30の日。忘れもしません。僕が毎日通っていたベルビューダウンタウンは、暴徒化した、デモ集団によって破壊されました。ショッピングモールの窓は、どんどん壊され、モノが盗まれていく。そんな姿をツイッターやニュースで見ていたときは、言葉を失いました。実際は、デモに乗じて他地域からギャングが利用したという話もあります。これが本当であれば、この事態は断固として許されるものではありません。

 

 暴動とは、怒りから生じるものであります。そしてこの怒りの根源である、差別という大きな問題を解決しないことには、悲劇はまた繰り替えされてしまいます。

 

 決して、自分自身も他人事だとは考えずこの問題を真剣に考えていきたいものです。

Systems Innovation Laboratory

Graduate School of Technology Management

Ritsumeikan University

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